コロナがバリ島に与えた変化.観光客のいないバリの今を在住者がご報告

例年なら、楽しいゴールデンウイークの終わりを迎え、
余韻に浸ってぼんやり、ちょっと物悲しくなっている頃でしょうか・・・?
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今年のゴールデンウィークは、
おうち時間を楽しんだ方、
いつもと変わらず、もしくは例年以上に働かれている方(ありがとうございます)、
旅行の予定を泣く泣くキャンセルした方、
家族とたくさんの時間を過ごした方・・・
それぞれ、ある意味特別な日々を過ごされたと思います。
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例年なら日本人観光客でいっぱいのはずのバリ島も、
もちろん今年は観光客ゼロ。
一歩外に出るだけで、普段とはまったく違う景色です。
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インドネシアでコロナ対策を打ち出し始めて、もう2か月。
ビザの発行が原則できなくなったことに始まり、
突然の外出禁止が言い渡されたことも。
↓ニュピ翌日、突然外出禁止令が出た一日のことを書いた記事はこちら。
国内線、国外線の飛行機がストップしたと思えば、
またすぐ再開されたり(数は相当少ない)。
国の対応だけ見ても、その混乱具合が伝わってきます。
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国や島、村の政策といっしょにバリの様子が突然変化することもあれば、
じわじわと変わってきていること、
元に戻りつつある感じがあるところ、
色々な変化があります。
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ということで、今回は、
コロナショックがまだまだ続くバリ島で起こっている変化や現状をまとめてみます!
バリ島のコロナ関連情報(5/10最新情報)
まずは数字でバリ島内の感染についてみてみましょう。
- 感染者数 306人
- 回復者 197人
- 死亡者数 4人(うちインドネシア人は1名のみ)
バリ島の人口は422万人といわれているので、
細かいことを抜きにすると、
感染者の割合は 306÷422万=0.007% になります。
どんなもなのかわかりにくいので、日本と比べてみると・・・
15663÷1億265万=0.012%
ということで、日本の方が感染率は高いようです。
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まあ、国である日本とインドネシアの一部であるバリを比べてるところとか、
他の島から出稼ぎに来ている人が多いバリの人口がどれほど正確なのかとか、
そもそもこの数字がどれほど正しいのかとか・・・
ツッコミどころは満載だけど(笑)
なんとなく、「そんな感じね」ってイメージがわけばいいかなと思います。
じゃあバリの方が日本より安全?
感染率の低さ、回復率の高さ、死亡者の少なさを見ると、
バリが安心できる場所のように思える・・・かもしれません。
でも、住んでいる私からすると、うーん・・・何ともいえないなあーー
と思う点がいくつかあります。
ジャワ島との人の行き来
インドネシア全土の感染報告は、13,645人(人口2億7千万人)ですが、
そのうち、ジャカルタをはじめとするジャワ島の感染者数は8,871人(人口1億4千万人)にものぼります。
※ 感染者数以前に、人口の多さにびっくりですよね!でもまだまだインドネシアの人口は増えますよー。
バリ島では感染者の半数以上が回復しているのに対し、
ジャワ島での回復者は15%程度。
そして死亡者数が729人と多いのも、悲しいジャワ島の現状・・・。
残念ながら、まだまだ広がることが予想されています。
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「でもそれはジャワの話でしょ?陸続きじゃないのに何で?」
「自粛中でしょ?移動少ないでしょ?」
って疑問、湧きますよね?
それもそうなんですが、
ジャワ島⇔バリ島を行き来する理由と、行き来する手段が今もあるんです。
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まず、行き来する理由は・・・断食。これです。
バリ島には、ジャワ島や他の島から多くの出稼ぎ労働者が来ています。
そして、インドネシア国内の9割はイスラム教徒。
イスラム教徒にとって断食明けのお祭り(レバラン)は、
一年の中でも一番大事にされている行事で、
多くのインドネシア人が断食期間中に故郷に帰省し、お祝いをします。
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もちろん今年は規制が入っています。
4/23~5月末まで(予定)、帰省の禁止がされているはず。
でも・・・実際いるんですよねー、船でジャワに帰ったインドネシア人。
どう許可をとったのか、
どういう経路を辿ったのかは不明ですが、
知り合いの日本人宅で働くお手伝いさん2家族が、
それぞれ別々に、5月に入ってから帰省しました。
私の少なーい人脈の中での2家族なので、
実際は一定数のインドネシア人が故郷に帰っているんじゃないかなあ・・・。
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国内線も一時中断されたものの、今週再開されたし、
何かしら、私たちの知らない抜け道はあるんだと思います。
故郷に帰ったイスラム教徒の人たちが、
レバラン後またバリに戻ってくるのかどうなのか・・・
気になるところですね。
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医療の問題
バリ島の医療の質は日本より劣っています。
重症になった際に対応できる病院、というところでいうと、
日本以上に厳しいものがあるのは確かです。
↓バリの医療問題についてはこの記事にちょっと詳しく書いてます。
また、そもそもの話になりますが・・・
インドネシアでは、亡くなった方に対し、
死後、その亡くなった原因を調査することはないそうです。
まだまだ平均所得の低いインドネシアでは、
たくさんのインドネシア人が健康保険に加入できていなかったり、
日本以上に高い医療費が払えなかったりするため、
コロナの疑いがある人が病院受診できていないという現状もある・・・ような気がします。
実際のところはわかりませんが。
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コロナウイルスに関する医療費に対して公費が出る日本と比べると、
インドネシア・バリは、
実際の感染の広がりと、出ている数との間にギャップがあるかもしれません。
国からの社会保障が手厚くない
対応が遅れてるとか、
甘いとか、
補助が少ないとか・・・
日本にいたらいたで国への不満はあると思いますが、
総じて、日本の政策は弱者にも優しくて、
いろんな人に最低限の手が行き届いていると思います。
残念ですが、インドネシアではそれが期待できません。
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となると、懸念されるのが治安の悪化。
デンパサールの領事館から送られてくるメールにも、
気を付けるようにとの注意が毎回書かれています。
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たしかに、本当に生活が貧窮して追い込まれたら、
盗みなどせざるを得ない人が出てきてもおかしくないです。
そんな時に標的になりやすいのは私たち外国人ですよね。
でも、個人的に今のところはそんな空気を感じたことはないし、
今までと変わらず、ローカルの人たちからも穏やかに接してもらって、
ゆったりとした気持ちでいられてます。
バリの今
・・・と、背景をちょっと理解してもらったところで、
ここからは実際のバリの現状についてお伝えしていきますね。
コロナショック以降バリに起こった変化
人が減った
これはどの国、どの地域でも起こっている変化だと思いますが、
年間580万人も来るといわれている観光客が一気にゼロになると、
その変わりようは衝撃的。
インドネシアでも#di rumah ajaと言って、ステイホームが浸透しているので、
バリ島民も外に出ないし、
生計が成り立たない観光業従事者が地元に帰っているしで、
想像もできなかった静寂に包まれています。
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それに伴って、渋滞が無くなったり、海や空気がきれいになったりもしています。
物流が変わった
武漢でウイルスがはやり始め、
中国との国交が途絶えてからまず最初に高騰したのは、
玉ねぎでした。
https://twitter.com/padmako_bali/status/1238378343424114688?s=20
普段の10倍以上の価格が続いたときも。
が、今は別ルートで玉ねぎは入ってきており、元の値段に近づいてきています。
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今、普段買うもので高騰しているもの、なくなっているものの個人的代表が、
ヨーグルト。
オーストラリアからの輸入だったのかなあ・・・?
もともとインドネシア産のおいしさ控えめなもの(遠回しな言い方が思い浮かばなかった。笑)以外は
高い品ではあるけど、今は欲しくてもなかなか手が伸びません。
毎日はなくてもいいものなのに、
意外とそこにないと、欲しくなっちゃうんですねー。
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逆に今どんどん安くなっているものもたくさん。
ドリアンやマンゴスチンなどのシーズン中のフルーツ、
鶏肉や一部の野菜は、
需要が減ってだんだん安くなってきています。
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私が最近驚いたのはしめじとキウイ。
これもどちらも輸入品なので高級品だったのですが、
今や近くのスーパーで半額以下。
嬉しくて毎日食べています。
キウイなんか、舌ぴりぴりさせながら負けじと食べてます。
ホテルやレストランで使われなくなると、
買う人が激減する食材なんだろうなーと思います。
どこに行くにもマスクが必須になった
マスクなしで外出していると、
それが車内であっても、
広い空の下であっても、
バイクに乗っている間であっても、
処罰の対象になっています。
で、どんな罰なんかって話なんですが、
普通に罰金かと思いきや、
地域によっては腕立て伏せだったり、ダンスだったり(笑)
https://twitter.com/sanae_poo/status/1258670911680462848?s=20
もー、このゆるさったら。
おもしろすぎ。
外出先が減った
ビーチやレストラン、モール、ホテルなど、
人が集まるところの多くが閉鎖されています。
https://twitter.com/may196423/status/1256573494868897793?s=20
こんな状況なので、
無収入でステイホームしている従業員や売り子のおばちゃん、ビーチボーイたちが山ほど。
彼らは今どうしているんだろう・・・。
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スーパーや市場、薬局など日用品を買う場所は変わらず開いていますが、
- 観光客向けレストランはほとんどが閉店、
- 在住外国人が多く通うレストランやワルンは5~6割ほどが稼働(中でも在住日本人向けのお店は開店率高め!)、
- ローカルワルンは4~5割が開店中
といった印象です(はな調べ)。
潰れちゃったお店、無期限で閉店しているお店もある一方、
ホテルレストランなどが破格でデリバリーサービスを始めたり、
ちょっとおしゃれ系のカフェやレストランは再オープンするお店も出てきて、
刻々と変わってきています。
個人で物を売る人が増えた
仕事を失った人たちが、自分で小売りをするようになってきたのも
ここ数か月間の変化です。
道端でフルーツを売ったり、
手作りマスクを売ったり、
子どものおもちゃらしいものを売っている人も。
少し広い道路の脇には、”DISEWAKAN”(レンタル)と書かれた札つきの車が増えてきました。
これは、そういった商売をする人が使う用に車の貸し出しをしているんかな?と思ってみています。
自分のできることでどうにか収入を作ろうとする彼らの姿、
たくましいです。
ランニングやサイクリングをする人が増えた
渋滞が激しく、交通整備が十分でなく、運転の荒いインドネシアにおいて、
ランニングやサイクリングは結構な覚悟のいるアクティビティでした。
こわいもん。
↓この記事で詳しく書きました。
でも、交通量が減った今は、
歩道のない大きな道路でもランしたり、サイクリングを楽しむ人がたくさん。
これを機に、運動習慣の大切さをこの島の人の多くが意識し始めたならいいことですね。
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もしくは、ジムでゴリゴリ鍛えていた人たちが、そっちに切り替えたのか・・・
ちなみにそういう私は、
ランニングもサイクリングも、暑ーいバリでは一切する気になれず。
徒歩10分の所へもバイクで行っちゃうダメなやつです。
金(ゴールド)の取引が増えた
買い物に出ていた時に通りかかって気づいたのですが、
金の売買を扱うお店がバリにはあります。
なんでそれを知ったかと言うと、人がまばらな街中で、
そのお店だけが行列をなしていたから!
バリでは意外と多くの人が金をもっているらしく、
経済が危うくなった時に、取引が盛んになるそうです。
さすが世界でも有数の金保有国。
消毒活動が増えた
ウイルス拡散予防のための活動が、日本のそれとは違うんです。
・お店への入店時の検温
・手指の消毒
という分かりやすいやつに加え、
・お店の入店前に何かよくわからん小部屋で薬剤をかけられる
・道路で薬をばらまいている
https://twitter.com/f95562246/status/1245993150264430592?s=20
こんな対策が行われています。
この薬剤は、地域によっては村の住民でお金を出し合って実施するとか。
効果のほどは・・・不明です。
消毒は、もしかしたら今デング熱もはやっているから、
蚊を殺虫する意図もあるのかな?どうなんだろう。
お店でソーシャルディスタンスが明示されるようになった
これは、とあるカフェ。
ソーシャルディスタンスを保つために、
赤い×印のないところにのみ客が座れるようになっているそうです。
結局お客さんのほとんどはテイクアウトを希望するので、
私が行った、日曜の昼過ぎといういつもなら混みあう時間帯でも、
イートインしている人はゼロでした。
無料の食事・食材提供をみかけるようになった
観光従事者がほとんどのバリ。
経済的な影響は想像を絶するものだと思いますが、
穏やかで、助け合いの精神があるのが強み。
道のわきで”Gtatis”(無料)と書かれたナシジンゴや、
廃棄手前の食料を渡している人たちを何度か見かけました。
国として裕福ではないから、
国策で2億も超える国民の生活を支えるのは難しいけれど、
村などのちいさな単位で、支え合ってやっています。
そういえば、プリアタン村では全家族KKに、米、卵、オイルなどの支援が昨日ありました。バリの地方自治は強力だと思います。他の村も支援ありましたか?
— jepunsari (@jepunsari) May 2, 2020
まとめ
「今バリで生活を続けるの、怖くない?」
「きついんじゃない?」
と、心配されがちな海外生活。
今のところは、ストレスや心配よりも、
大変な中でも、過ごしやすい場所でさほど不自由なく生活できていることが
ありがたいなーと思う日々です。
おかあさーん、おとうさーん、私は大丈夫だよー!
個人的に気になるところとしては、
- 医療が心配
- バリや国民の経済が心配
- いつ日本との行き来が以前のようにできる日がくるのか・・・
このあたりかな。
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いつの間にやら訪れた乾季。
最近はドライ○○を作るのにハマっています。
トマト、モリンガ、お花、サツマイモ・・・
与えられた環境で、元気に楽しくいられるよう、
おうち時間を楽しみましょう♪
家でできる楽しいこと、何かあればぜひコメントでおしえてくださーい!
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