【コロナ】入国制限がかかったバリの現状.旅行客,在住者,ローカルは?

3月17日、ついにインドネシアも日本人に対して入国制限をとることを決定しました。
・・・というと、「日本人が拒否されてる!」と誤解を招くかもしれませんが、違います。
これまで認められていたすべての国の”ビザなし入国”や”到着ビザ(Visa On Arrival)”が3月20日から1か月間中止になったということです。
卒業旅行シーズン真っただ中でのこの状況。
涙をのんだ方はたくさんいることと思います・・・本当に残念。
とはいえ、ビザや入国の事って難解だし、航空券などについての事や規制事項はめまぐるしく変わっているので、
ここでそれらの情報をまとめます。
渡航を考えている人や、考えていた人に現状を理解していただき、少しでも納得してもらえたらと思います。
また、今のバリの現状について、私自身の体験談と友人・知人の生の声もピックアップしてお届けします!
2020/3/22 現時点のものを記載しています。
ウイルスの拡大スピード同様、バリの変化も本当にめまぐるしいので、確かな最新情報を知りたい方は在インドネシア日本国大使館、外務省のホームページをご確認ください。
2020.03.18
14:34 現在
インドネシアのコロナウイルス関係の数値です。陽性172人
陰性1083人
回復9人
死亡5人#LINETODAY #COVID19indonesia #コロナウィルス pic.twitter.com/PvbFj8LtLy— HIROAKI KATO@BahagiaItuSederhana (@hiroakikato39) March 18, 2020
↓これまでの経過についてはこちらをご覧ください!
バリを訪れる観光客、渡航者の現状
コロナウイルス対策としてインドネシアがとった入国制限
今まで、インドネシア(バリ)に入国する場合、日本人はパスポートさえ見せればイミグレを通過でき、簡単に入国できていました。
就労ビザや家族ビザなどの特別な渡航許可を得ていない場合、観光・語学留学などで入国する際は主に
- 30日より短い滞在であればBVKというビザなしの入国
- 30~60日間の滞在の場合はVOA
の2種類の方法をとっていました。
この2つが、現在無効になってしまっています。
短期滞在の査証免除(BVK),入国時一時在留査証(VOA),外交公用査証免除が全ての国に対して1か月間停止
20日以降は、日本にいる間にインドネシア大使館に行き、所定の手続きをしなければ入国ができません。
その手続きってどんなの?っていうのが気になるところですが、率直に言ってもうかーなーり手間がかかる感じ。
- 大使館に行き(東京か大阪のいずれか)、訪問ビザの申請をする。
- 必要書類は以下の通り。
- 申請書(大使館指定のもの) 1通
- 誓約書(大使館指定のもの)1通
- 旅券(インドネシア到着時有効期限が最低6ヶ月あること、また白紙のページが3ページあること)
- 写真(カラー1枚、背景白、縦4cm x 横3cm、半年以内に撮影されたもの)
- 英文在職証明書/英文在学証明書/身元保証人からの英文推薦状原本
- インドネシア滞在中の生活費を支払う能力があることの証明としてUS$1,500以上の英文残高証明書(銀行印ありのもの、発行してから2週間以内のもの)
- 往復航空券/予約確認書
- 旅券IDページのコピー(A4サイズの用紙を使用)
- 英文経歴書
- 観光入国査証申請料金¥5,750-
- 2ヶ月以内に発行された住民票または運転免許証のコピー
- ホテル予約表
- 英文健康証明書(航空機旅行に適した健康状態
で呼吸器の感染症(発熱、咳、のどの痛み、くしゃみ、呼吸困難) に罹患していない旨が記載され、インドネシア到着日前7日 以内に日本国内の保健当局/クリニック/病院/ 検疫所が発行したもの)
いや・・・もう・・・ここまでしてバリに来たいと思える強者がどれほどいるのか・・・
むしろ来させないために厳しく設定してるんじゃないかな・・・って考えざるを得ない内容です。
【新型コロナウイルスに係るインドネシア政府による追加的な入国規制措置】 在デンパサール日本領事館
「悪いこと言わないから、残念だけど観光は諦めてね、でも何かしらでどうしても行かなきゃいけない人もいるだろうから、可能性は残しといてあげるね」
・・・的なメッセージのように感じます。
今バリにいる観光客は?
20日以前に入国ができた人に関しては、その時点でのBVKやVOAが有効です。
なので、最長で5月の半ばまで滞在する権利がある人はいるはず。
が!
- そもそもコロナウイルスの拡大のせいでバリ旅行をキャンセルした人がほとんど
- 入国・滞在はできても、使える飛行機やトランジットで降りることができる国がかなり少なくなっており、帰国がどんどん困難になってきているため、フライトが取れ次第予定を早めて帰国する人が多数
という理由で、あれだけたーーくさんいた外国人の観光客は、一気に姿を消してしまったのが現状。
Air AsiaなどのLCCをはじめ、その他のフライトも便ががくんと減っています。
日本人がバリに来る際によく経由地として使う空港である、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピンにはバリから行けたとしても、そこからトランジットして日本行きのフライトに乗ることが許されません。
今のバリは、人気過ぎて待ちがあったレストラン、観光名所、どこへ行ってもガラガラ。
もう閉めちゃっているところも正直少なくありません・・・。
毎日ブーブー文句を言いながら通っていた道の渋滞も全くなくなり、バリの経済の危機に心が痛みます。
全世界中の観光地がそうなんでしょうけどね。
体力のある会社や事業以外は生き残れない現実が待っていそうです。
コロナショックが在住者に与える影響は?
就労ビザや家族ビザでバリに在住している日本人への制限
バリにいる日本人の多くが楽しみにしているのが、年に何回かの一時帰国。
インドネシアの年度の区切りである6月には、一斉に多くのバリ在住日本人が帰国します。
でも、どうやらそれも、今年は安心してできなくなってしまいそうな雰囲気・・・。
今のところは(2020/3/22)、就労ビザや家族ビザを持っている日本人の出入国は、可能です。
インドネシア入国の際、一つだけ面倒になっちゃったのは、
観光客同様、在住者も英文の健康証明書が必要になったこと。
https://twitter.com/Wataridonari/status/1240500728906436610?s=20
つまり、在住者が日本に帰国した場合、インドネシア入国前の7日間の間に病院に行き、健康証明書を取得していないと入国ができなくなったということです。
まあ、ウイルス感染さえせず、日程に十分な余裕があれば、今のところはなんとかできそう。
でも不安材料があるんです。
実は、シンガポールで、国内で暮らす外国人に対しても厳しい制限がかかったのです。
入国しようとする全ての旅行者(市民・永住者・長期滞在ビザ所持者・短期滞在者)はSHN(Stay-Home Notice/シンガポール帰国日から14日間の自宅待機/外出禁止)措置。SHN期間の居所(自宅/ホテル等)の証明書を提示する必要がある(例えば,全期間をカバーするホテルの予約,または住居地)。SHN対象者は,シンガポール入国後14日間,常に居所に留まる必要がある。
要するに、シンガポール在住者が国外に出た場合、シンガポールに戻ってきてから2週間はホテルか自宅内に常に留まり、外出してはいけない、という意味です。
これ、、、キツイですよね?
シンガポールがこういった措置をとったことで、ウイルスの拡大がまだこれからも続くインドネシアも、これに追随する可能性はあるんじゃないかなーというのが私の考えです。
しばらくは私たちもよっぽどのことがない限り、バリから出ることは考えないでいようと思います。
在住者への経済的な影響
バリ在住日本人のほとんどと言っても過言じゃない人が観光業の従事者。
「すでに売り上げがゼロ、キャンセルの連絡しか来ず予約も今後の見通しもない」
「今お金が出ていくのをただただ毎日見つめてる。マジでヤバイ。」
と話す経営者さんたちの悲痛な会話は、つい昨日私の目の前で繰り広げられていたものです。
観光客相手のお仕事をしている経営者は、会社をどう守るか、従業員をどう守るかでピンチ。
そしてもちろん、従業員も、収入がいつ途絶えるか、いつクビを切られるか、ヒヤヒヤ。
特に現地採用だと、日本みたいにいろんな保証がされていないことが多いので、
とたんに収入がゼロになったり、職がなくなり帰国を余儀なくされたりすることが出てくる可能性があります。
もちろん、観光客相手ではなく、在住者向けのお店やレストランなんかも、打撃はあるはずですよね。
経済的な面で不安になると、支出を増やさないために外出も外食も控えるようになるからです。
在住者が今一番不安なこと
バリ在住者としては、物流への心配は実はあまりしていません。
バリはもともと農業の島。野菜もお米も畜産物も自国民が必要なくらいはまかなえると思っています。
強いて言えば、うーん、気になるのはお水かなあ?
水道水が飲めないから、多めに家に置いてはいるけど、これもしっかり供給はある感じがします。
観光客来なければその分のが余るだろうし。
今のところスーパーになかったり、めちゃくちゃ値上がりしているものといえば、使い捨てマスクと玉ねぎ、乾麺が少し。
これくらいならなくったってへっちゃら。
インポートのものがそんなに少なかったんだーってことにびっくり、すごいぞバリ!ってちょっと嬉しくなる情報です。
で、そんな私たちが一番恐れているのは、治安の悪化です。
貧富の差は大きいバリですが、今まで暮らしていて治安が悪いと感じたことはありません。
ただ、これから職を失ってお金が無くなる人が急増すると、そんな人たちがどう行動するのか・・・心配です。
日本みたいにそういう人をケアするシステムはありません。
4月末に断食が迫っているのも大きい。
ムスリムにとって断食は一大イベントなんです。
毎年故郷に帰って、断食明けのお祭りを盛大にします。
こんな状況でも節約するって選択肢が思い浮かばず、「盗るしかない」と盗みに走る人が出てきたり、
やけくそになってしまう人が出てくるんじゃないかって想像してしまいます。
あーーー、一刻も早くこの不安な状況が終わってほしい!
ローカルの人は?
ここほんの数日で、インドネシア人にもいろーんな考えの人がいるんだなあっていうのを見てきました。
- インドネシア人にとってウイルスは何にも怖いものじゃないよ!私たち小さいころから色んなウイルスと生活してきたから!と笑う20代男性。
- 今までにない国のパニックが怖くて、事が大きくなる前に、仕事を辞めてまでいち早く故郷のジャカルタに帰った女の子。
- コロナウイルス?もう大丈夫だよ。規制が厳しくなってウイルス入ってこないから。とのんびり話すおばちゃん。
- ずっと家に閉じこもっている方が体に悪いわ。感染したらウイルス倒せるけど、引きこもりは治せない。と話すキャリアウーマン女性。
- 私は正規職員だからよかったけど、契約社員のみんなが収入がなくなってかわいそう。心配。と悲しそうな顔をする優しい女の子。
- コロナが怖いからニュピ(バリの行事。数日間一斉に仕事が休みになる)の後もう少し休みたいです。とコロナのせいにして休日を増やそうとするずるいおっちゃん。
受け取り方、さまざますぎ!その幅の広さがちょっとおもしろい。
こんな不安が渦巻く状況でも、外に出れば、みんなにこにこ私たち外国人にも応対してくれるし、従業員同士も普段通り冗談を言い合ってゲラゲラ笑っています。
まとめ
- 入国制限により、観光客激減。実質的に今から少なくとも1か月は旅行目的の滞在はほぼできない。経済的に危機。
- 今後も規制は強まる予感。
- 在住者、ローカルにも大打撃。まだまだウイルスの拡大も、それに関した影響もこれから。
たくましくやっていこうぜーバリ!
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